最終更新日:2020年3月22日
金融機関に口座を持っていた方が亡くなり、そのことを金融機関が知ると(または伝えると)、その預貯金口座は凍結され、以後お金の引き出し・入金などはできなくなります。
凍結された口座を解除するには、各金融機関が要求する書類(下記「基本的な必要書類」)を準備し、窓口で手続きを行なわなければなりません。
どの金融機関でも手続き的には類似したものになりますが、金融機関は民間の機関のため、統一的な書類の様式ではありませんし、また、手続き方法も異なりますので、実際に手続きを進める際には各金融機関に必ず確認をすることが必要になります。
預貯金口座の相続手続きにおいては、どの金融機関でも基本的には以下の書類が必要になります。
❷戸籍・除籍謄本一式または法定相続情報一覧図の写し
法定相続人が誰であるのか確認するためのものです。戸籍・除籍等の交付先は本籍地の市役所・区役所・町村役場になります。法定相続情報一覧図の写しの申出・交付先は法務局になります。
❸遺産分割協議書や遺言など
誰が何をどれだけ取得するのか確認するためのものです。遺産分割協議書は自身で作成するか、または行政書士等に作成を依頼できます。なお、金融機関等の手続きでは、遺産分割協議書を作成しなくても手続き先の所定の用紙(上記➊)に従って解約等の手続きをすることができる場合があります。
※上記の必要書類は基本的に必要となるものですので、ケースバイケースで必要になる書類は異なります。
預貯金口座等の相続手続きに利用する遺産分割協議書については、以下のことに注意しながら作成するようにしましょう。
まず、1つ目の注意点として、預貯金の残高は被相続人の死亡日時点(相続開始時点)から、公共料金などの引き落としや利息などによって残金変動する場合が多々あります。
そのため、遺産分割協議書に相続開始時点での具体的な金額を記載している場合で、残高が変動しているときには、その過不足分の処理(帰属先)について遺産分割協議書に記載がないと解約手続きや払戻しが受けられないことがありますので、その処理方法についての条項・文言を記載しておきましょう。
2つ目の注意点として、一つの預金口座を複数の相続人で割合(長男が3分の2、二男が3分の1など)で分割する場合には1円未満の端数が生じることがあります。この場合には、この端数の処理方法について遺産分割協議書中に記載がないと解約手続きや払戻しが受けられないことがありますので、この場合には端数処理条項を記載しておきましょう。
なお、金融機関の手続きにおいては代表相続人(代表して金融機関より金銭の受領を行なう者)を定めておいたり、または代償分割を利用することで手続きが簡便になります。